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平成21年9月定例会の知事議案説明要旨

当初提出議案(平成21年9月18日)

 本日ここに、第13回定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご多用の中、ご参集いただき、厚く御礼申し上げます。

 去る7月の中国・九州北部豪雨により、県内各地に災害が発生し、10名の方の尊い命が失われ、家屋や事業所、農地及び林地、道路、河川など県下全域に被害が及んでおります。
 この災害によって亡くなられた方に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 農地、道路、河川等の復旧工事の迅速な実施、災害援護資金の貸付、被災農家や中小企業者への支援などに全力を挙げて取り組み、県民生活の安定を図っているところであります。

 鳩山新内閣が発足いたしました。東京一極集中が進む一方、高齢化と人口減少が同時進行し、多くの地方が疲弊しています。さらに昨年来の経済危機により雇用情勢が悪化し、地方財政の危機的な状況が一層進んでおります。このような中、地方重視の政策が取られることを特に期待するものであります。中でも「地域主権」を目指した真の地方分権の実現、強力な景気・雇用対策の実施、年金、医療、介護など将来にわたって持続可能な社会保障制度の確立などに取り組まれることを求めるものであります。

 この議会に提案いたしております議案は、19件であります。その内訳は、予算議案3件、条例議案13件、工事請負契約の締結に関する議案2件、その他の議案1件であります。

 まず、予算議案についてご説明申し上げます。
 今回の補正予算は、災害復旧対策に要する経費を計上するとともに、本県経済を着実な回復軌道に乗せていくため、国の補正予算を活用し、積極的に雇用の創出と地域経済の活性化を進めるべく必要な経費について措置することといたしております。
 補正予算の額は、一般会計で717億6,700万円余、特別会計で2億3,800万円をそれぞれ追加することといたしております。これによって、一般会計の総額は1兆7,282億7,100万円余、特別会計の総額は4,056億8,700万円余と相成っております。
 一般会計の歳入は、国庫支出金、基金繰入金、県債等の特定財源のほか、地域活性化・公共投資臨時交付金及び地域活性化・経済危機対策臨時交付金を計上しております。
 特別会計の歳入は、国庫支出金、県債等であります。
 このほか、公営企業会計では、工業用地造成事業について所要の補正を行うことといたしております。

 次に補正予算の主な項目についてご説明申し上げます。
 まず、災害復旧対策として、被災農家に対する大豆のまき直しや、被害を回避するための園芸施設の移転等に対する助成費を新たに措置しております。また、被災中小企業者に対する低利の融資枠を新たに設けるとともに、市町村が行う災害融資制度に対する利子補給等の助成費を計上しております。
 災害復旧事業では、農地・農業用施設、林道、河川などの災害復旧費を増額するとともに、社会福祉施設等の災害復旧に対する助成費を計上しております。
 その他の災害対策では、治山事業等に要する経費を措置するとともに、河川等災害の再発を防止する災害関連事業の実施に向けた調査費を計上しております。
 次に、雇用創出・地域経済活性化緊急対策として、景気を浮揚させるための公共事業を実施することとしております。医療施設や社会福祉施設の耐震化、河川の改修など耐震・防災対策に要する経費を措置するとともに、通学路の歩道整備などの交通安全対策にも積極的に取り組むこととしました。
 また、九州新幹線・鹿児島ルートの平成23年春の開業を確実なものとするため、建設負担金を増額することとしております。
 さらに、農地、森林、漁港の整備に要する経費を措置するとともに、保育所や小規模特別養護老人ホームなどの整備に要する経費を計上しております。
 緊急雇用創出として、農業分野への就業希望者を労働力が不足する産地へ派遣することとしたほか、雇用の確保を図るため相談員を企業に派遣し、中小企業緊急雇用安定助成金の利用を促すこととしております。また、「福岡よかもん市場」を活用したインターネット通販による中小企業の販路拡大を支援するため、アドバイザーによる訪問指導に要する経費を措置しております。
 中小企業支援として、当初の見込みを上回る多くの商店街が参加し、地元での消費拡大に効果があった地域商品券の発行経費に対する助成を追加しております。また、工業技術センターの試験研究機器整備に要する経費を計上しております。
 農林水産業支援として、農作物の生産履歴情報を消費者に提供するシステムの構築を支援する経費や、畜産業者の経営再建を図るための融資に対する利子補給費などを新たに措置しております。
 子育て・教育支援として、児童養護施設などの改修や市町村が行う地域の実情に応じた子育て支援活動に対する助成費を計上しております。また、家計急変等により修学が困難となった高校生が学業を継続できるように、奨学金の貸与や私立高校の授業料軽減に要する経費を増額いたしました。
 安心なくらしづくりとして、震度情報ネットワークシステムを更新するとともに、生活福祉資金貸付制度の拡充を図るなど離職者等への支援を充実することとしました。また、新型インフルエンザの感染防止対策や抗インフルエンザ薬の備蓄に要する経費を計上しております。
 環境対策として、地球温暖化対策を推進するため、水素エネルギー製品研究試験センターの機器整備に要する経費を計上しております。また、庁舎、自然公園などにおけるLED照明設備の導入に要する経費や市町村が行う公共施設の省エネルギー化の設備整備に対する助成費を措置しております。
 これらの事業費のほかに、介護基盤緊急整備等臨時特例交付金などを財源とする基金の造成費366億円余を計上しております。
 以上が補正予算の概要であります。

 次に条例議案についてご説明申し上げます。
 第一は、「福岡県暴力団排除条例」の制定であります。その内容は、暴力団を排除し安全で平穏な県民生活を確保するため、暴力団員等に対する利益の供与の禁止など県の施策の基本となる事項を定めるものであります。
 第二は、「福岡県警察の組織及び定員に関する条例」の一部を改正する条例であります。その内容は、本県の暴力団情勢に的確に対応するため、警察本部に暴力団対策部を新設するとともに、市町村合併や治安情勢の変化などに対応するため、関係警察署を再編することに伴い、警察署の名称、位置及び管轄区域を改めるものであります。
 第三は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」の一部を改正する条例であります。その内容は、多様化した暴力的不良行為等に対応するため、新たな迷惑行為を規制するとともに、罰則の改正を行うほか、所要の規定の整備を行うものであります。
 第四は、「福岡県公の施設の設置及び管理に関する条例」の一部を改正する条例であります。その内容は、新たに設置する県立特別支援学校の名称及び位置を定めるとともに、県立高等学校の再編整備に伴い、新設校への移行が完了する2校を廃止するほか、所要の規定の整備を行うものであります。
 そのほか、国の補正予算において創設された交付金を財源として基金を設置するもの2件、退職手当制度の一層の適正化を図るため、退職手当について新たな支給制限及び返納の制度を設けるもの、本年12月の福岡県職員等の期末及び勤勉手当について特例措置を定めるもの、関係法令の一部改正に伴い所要の規定の整備を行うものなどであります。
 次に、工事請負契約の締結に関する議案は、一般国道322号トンネル新設工事ほか1件について議決内容の一部を変更するものであります。
 その他の議案は、飯塚市と小竹町の境界変更について県議会の議決を求めるものであります。

 以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。