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平成29年2月定例会の知事議案説明要旨

当初提出議案(平成29年2月24日)

 本日ここに、第10回定例県議会を招集いたしましたところ、 議員の皆様におかれましては、ご参集いただき、厚くお礼申し上げます。

 このたびの議会は、県政運営の基本となる平成29年度当初予算をはじめ、 多くの重要な案件についてご審議をお願いするものであります。
 議案の説明に先立ち、まず、県政運営に関する私の所信を申し上げ、議員各位をはじめ、 県民の皆様のご理解と、より一層のご協力をお願い申し上げる次第です。

 世界情勢を見ますと、今後の推移のいかんによっては、 各国の経済社会に大きな影響を及ぼすことが考えられる「米国第一」を掲げるトランプ新政権の政策、 英国のEU離脱交渉など大きく変化しております。また、先の日米首脳会談では、今後、経済対話を行うことが合意されました。 これらの今後の動向と、その影響について注視していく必要があります。
 中国、韓国は、本県の重要な貿易相手国であります。今年は、日中韓サミットが我が国で開催されることが計画されています。 経済、環境など幅広い分野での協力がさらに強化されることを期待しています。
 成長著しいアセアンは、今年設立50周年を迎えます。タイ、ベトナムをはじめ、 本県がこれまで進めてきたアセアン諸国との地域レベルでの交流を深化させ、存在感が高まるアセアン諸国の活力を取り込み、 ともに発展していく必要があります。
 北朝鮮については、拉致問題の一日も早い解決とともに、 核実験や度重なる弾道ミサイルの発射を関係国と連携のもと断固阻止する対応を政府に求めていきます。
 国内では、第二次安倍内閣発足後、雇用者数は200万人近く増加、失業率は4%程度から3%程度まで低下し、 賃上げについても3年連続で2%以上となるなど、雇用・所得環境が改善し、景気は緩やかな回復基調が続いています。政府経済見通しでは、平成29年度の日本経済について、雇用・所得環境が引き続き改善し、 経済の好循環が進展する中で、民需を中心として景気が回復すると見込まれています。
 このような内外情勢の中、私は、平成29年度を、地方創生の具体化に全力で取り組み、福岡県、九州、 そして日本を元気にする年にしていきたいと考えております。
 誰もが住み慣れたところで働き、安心してお子さんを産み育て、長く元気に暮らすことができる、 そうした地域社会をそれぞれの地域につくっていく地方創生の実現を目指します。
 また、福岡県をもっと元気にしていく施策については、これを伸ばしていき、一方で、 いろいろな課題や問題を抱えている方々に寄り添う「温かみのある行政」により一層力を入れます。

 まず 第一は、「景気の回復と魅力ある雇用の場の創出」です。
 本県経済は、緩やかに回復しており、有効求人倍率は、統計を取り始めて以来、過去最高水準で推移しています。 この県経済の回復を確固たるものにしてまいります。
 県内雇用の8割を担い、県経済の発展と活力の原動力である中小企業について、 成長段階や事業環境に応じてきめ細かに支援し、多様で活力のある成長発展を図っていきます。
 就任以来、力を入れてきた「グリーンアジア国際戦略総合特区」については、これまで、57社が特区を活用し、 約1680億円の設備投資が行われ、約1140人の新たな雇用が生まれました。中小企業の参入も着実に増えており、 特区活用企業の約4割を占めています。一つでも多くの事業を立ち上げられるよう、引き続き、 産学官一体となって、これを力強く後押しします。
 北部九州の自動車産業は、154万台の生産能力を誇る世界有数の生産拠点となっています。 ダイハツグループの「九州開発センター」、トヨタ自動車九州の「テクニカルセンター」が相次いで開設され、 開発・設計から生産まで一貫して担うことができる拠点として成長しており、世界のマザー工場としての役割も果たしています。
 苅田港の新松山臨海工業団地については、昨年8月、ユニ・チャームプロダクツ株式会社と立地協定を締結しました。 引き続き、残りの土地の早期完売を目指すとともに、 同地区に新たな工業団地を造成し、企業誘致を進め、地域の雇用創出や経済の活性化に努めてまいります。
 現在、県内において、80台を超えるFCVが導入されており、本年3月、10か所目となる水素ステーションが開設されます。 FCVの普及がさらに進むよう、これからも、官民挙げて取り組んでいきます。
 今年1月、九州大学伊都キャンパス内に、水素・燃料電池分野の新たな研究開発拠点として 「産総研・九大 水素材料強度ラボラトリ」が開所しました。こうした強みを活かすとともに、 再生可能エネルギーから水素を製造し、利活用する取組みを進め、水素エネルギー社会の実現を目指します。
 このほか、将来の成長が見込まれるバイオ、医療・福祉機器、航空機に加え、昨年7月、 国から選定された「福岡県IoT推進ラボ」を活用した新たなビジネスモデルの創出に取り組むなど、 先端成長産業の育成にも努めてまいります。

 農林水産業は、私たちの生活と食を支える重要な産業です。県としては、本県の大事な農林水産業をしっかり守っていくと同時に、「攻め」の産業を目指し、 「ブランド化」「輸出促進」「六次産業化」に力を入れていきます。また、意欲ある担い手の確保、地産地消にも努めます。
 こうした取組みを効果的に進めるため、現行の農業、林業、水産業の三つの計画を一本化し、 その施策推進の指針となる「福岡県農林水産振興基本計画案」を今議会に提案しております。 この計画のもと、農林水産物とその加工品の販売・消費拡大にも取り組みます。
 昨年、本県が開発したキウイフルーツの新品種「甘うぃ」が初出荷され、種がほとんどない甘柿の新品種「秋王」も本格的に販売を開始しました。 いちじくの「とよみつひめ」や「博多和牛」などについてもブランド品となるよう、関係団体と一体となってPRに取り組んでいます。 また、昨年11月、「福岡有明のり」に名称を変更した有明海産のノリの、さらなる販売促進も図っています。 このように、「あまおう」などに続くブランドを一つ一つ育ててまいります。
 農林水産物の輸出額は、昨年度25億円を超え、過去最高となりました。引き続き、 九州・山口合同しての販売促進フェアや商談会への出展に加え、米国向けの「あまおう」、東南アジア向けの水産物、 欧州向けの植木や八女茶の輸出促進に取り組むとともに、新たに、香港・台湾において加工品の市場開拓を行います。
 先月、初めて、米国への輸出が認められた福岡の温州みかんをハワイでPRしてまいりました。 今後も、様々な機会を捉え、内外におけるトップセールスに努め、販路の拡大に取り組みます。
 また、専門家の派遣、商談会やコンクールの開催などにより、 県産農林水産物を使用した加工品の開発から販路開拓までを支援し、六次産業化の推進に努めます。

 観光の分野について、福岡県は、九州の玄関口として大きな役割を果たしています。昨年、九州に入国した外国人は、 360万人を超え、そのうち7割の方が本県に入られました。 クルーズ船も外国船だけで一昨年の245隻を上回る312隻が博多港に入り、いずれも過去最高です。
 今後とも、九州各県、九州観光推進機構と連携し、一層の誘客に努めるとともに、福岡空港、北九州空港、博多港の利便性の向上、 Wi―Fi網の整備促進や多言語対応コールセンターの設置など受入環境の整備に取り組みます。
 また、旧福岡県公会堂貴賓館を中心とした天神中央公園の整備を行います。貴賓館の歴史的意義や建築物自体の価値を活かしながら、観光資源としての魅力を向上させていきます。
 昨年3月に開業した「HAWKSベースボールパーク筑後」には、県内外から多くの観戦者が訪れています。 また、隣接する筑後広域公園には、誘客効果のあるスポーツイベントの開催が可能な競泳プールが完成するなど、 スポーツ施設の整備が進んでおり、相乗効果による来訪者の増加が期待されます。 お越しになられる方々に筑後地域を周遊、観光していただくため、 地元自治体で構成される「筑後七国」や関係の皆様と連携し、イベントの開催や観光情報の発信を実施します。
 ユネスコの世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」については、遺産の保全に努めるとともに、 世界遺産としての価値に加え、 石炭をもとに近代化を達成した地域の魅力を紹介し、県内関係各地への誘客、周遊につなげていきます。
 「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」については、本年7月、ユネスコ世界遺産委員会において登録の審議が行われます。 国及び関係者一体となって、登録実現に向け、全力で取り組みます。
 また、10月には、県として初めて「第37回全国豊かな海づくり大会」を開催いたします。 大会の成功に向け、関係市町村、漁業関係の皆様と力を合わせ、しっかり準備を進めてまいります。
 こうした機会を通じて、福岡県の魅力と元気の良さを内外に大いに発信したいと考えております。

 第二は、「出会い、結婚、子育て、就職・仕事の支援」です。
 出会い、結婚、出産、育児、就職・仕事など、ライフステージに合わせたきめ細かな施策を総合的に切れ目なく講じていき、若い世代の夢と希望をかなえていきます。
 昨年、本県の「あかい糸めーる」は、九州・山口各県での共同利用が始まり、出会いの場が大きく広がりました。
 また、待機児童の解消を図るため、保育所の整備や保育士確保の取組みをさらに進めます。
 正規雇用の促進については、「正規雇用促進企業支援センター」において、企業に対し、正規雇用への転換の働きかけを行ってまいります。
 UIJターン就職については、昨年11月、東京圏及び近畿圏の四大学と就職促進連携協定を締結しました。現在、協定締結を他の大学にも広げており、 今後、こうした大学との連携・協力のもと、県内企業の魅力の発信、就職活動情報の提供を行うなど、本県への若者の就職を促進します。

 第三は、「女性や高齢者の活躍の応援」です。
 この社会が活力にあふれ、持続的に成長、発展していくためには、女性の感性や発想、高齢者の知識と経験を最大限に活かしていくことが大事です。
 昨年、「女性活躍推進室」を設置するとともに、経済団体、関係団体などが一体となった官民連携の推進体制として「女性の活躍応援協議会」を設立しました。 また、全国初の取組みとして、国・県・北九州市が連携して女性の活躍をワンストップで応援する「ウーマンワークカフェ北九州」を開所しました。 企業の取組み促進に向けた支援、働く女性向けの研修の充実など、県全体で女性が活躍できる環境の整備を進めているところです。
 企業のトップが自ら仕事と子育ての両立支援の取組みを宣言する「子育て応援宣言企業」は、昨年末、6千社を突破しました。今後とも、登録企業の拡大を図るとともに、宣言企業における取組み内容のさらなる充実を働きかけていきます。
 また、「70歳現役応援センター」については、これまでに、約1万人の高齢者が登録され、そのうち4千人を超える方が職場やボランティアの現場で活躍されているところです。 今後も、福岡県が先頭に立って、「七十歳現役社会づくり」を九州・山口、さらには全国へと広げてまいります。

 第四は、「『ふくおか未来人財』の育成とスポーツの推進」です。
 「社会の宝」である子どもたちが「Think globally,act locally」国際的な視野を持ち、地域で活躍する「人財」に育つよう、「ふくおか未来人財育成ビジョン」のもと、各課題に対応する具体的施策を展開します。
 学力向上推進拠点校での実践研究や県独自の学力調査により、子どもたちの学力向上を強力に進めるほか、体力、問題解決能力の向上に取り組みます。
 ラグビーワールドカップ2019に係るキャンプについてはウェールズの事前キャンプが決定しました。 2020年東京オリンピック・パラリンピックに係るキャンプ地についてはスウェーデン、ノルウェーと、それぞれ基本合意書を締結しました。さらに一つでも多くの誘致が実現できるよう、誘致を希望する市町村と一体となって、誘致活動を加速してまいります。
 全国に先駆け実施しているタレント発掘事業に加え、新たにジュニアアスリートの育成強化にも取り組みます。また、障がい者スポーツについても、障がい者アスリートの発掘や育成に取り組んでいきます。一人でも多くの福岡県ゆかりの選手が国際舞台で活躍されるよう努めます。
 このほか、「新県立美術館」の実現に向け、推進体制も含め、幅広い視点から検討を進めてまいります。

 第五は、「安心して生活できる共助社会の実現」です。
 子どもの貧困が大きな社会問題になっています。そのため、昨年3月策定した「子どもの貧困対策推進計画」に基づき、すべての子どもたちが夢と希望を持って成長していけるよう、「子ども支援オフィス」による相談体制の充実・強化、生活困窮世帯に対する放課後児童クラブ利用料の減免など、全庁挙げて、また、地域を巻き込みながら、貧困の連鎖を断ち切る対策に取り組んでいきます。
 昨年4月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。本県におけるその実効性を高めるための条例議案を今議会に提案しております。県民の皆様の障がいに対する理解の増進、差別の解消に努めるとともに、障がいのある方の社会参加を促進し、障がいのある人もない人も住み慣れた地域で安心して暮らせる共生社会の実現を目指します。
 また、「まごころ製品」の大規模販売会の開催、「障がい者応援まごころ企業」の拡大に取り組み、障がいのある方々の収入向上と自立を支援します。
 福岡県は、2025年には、3人に1人が高齢者になると予想されています。高齢者が住み慣れた地域で、安心して生活できるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援といったサービスを一体的に切れ目なく提供する「地域包括ケアシステム」の構築を引き続き市町村と連携して進めてまいります。
 今年度中に「地域医療構想」を策定し、急性期から回復期、慢性期、在宅医療まで、県民の皆様が適切な医療サービスを受けられる体制を構築します。
 また、企業の経営者が従業員の仕事と介護の両立を支援する取組みを自主的に宣言する「介護応援宣言企業」登録制度を新たに創設するとともに、従業員が介護をしながら、その能力を活かして働き続けることができる職場環境づくりを推進します。

 最後は、「安全・安心、災害に強い県づくり」です。
 熊本地震の教訓を踏まえ、現在プロジェクトチームで支援・受援の両面から検討を進めているところです。国や九州地方知事会における検討結果も踏まえ、県の「地域防災計画」に反映をさせるとともに、建築物の耐震化の促進、要支援者対策や災害時医療の体制強化、災害廃棄物処理体制の確保など、ハード、ソフト両面にわたる地域防災力の強化に取り組みます。
 空き家対策については、市町村が老朽化した空き家の除去から跡地の利活用までを円滑に行える仕組みを構築していきます。
 地域の将来の発展基盤の整備も重要です。福岡空港については、滑走路増設と平行誘導路二重化の早期完成、民間委託の円滑な推進に向け、関係の皆様と力を合わせて取り組みます。
 北九州空港については、今年度からの3年間を利用促進に関する「推進強化期間」と位置付けており、早朝・深夜便やLCCなど新たな路線の誘致を進めるとともに、昨年就航したジンエアーや天津航空による国際線の定着、航空貨物の集積、同空港と福岡都市圏を直接結ぶリムジンバスの利用促進に努めます。
 下関北九州道路は、防災や産業活動、日常生活など関門地域がさらに発展していくためには、なくてはならない重要なインフラです。国に対し、早期着工に向け、必要な調査を行うよう、県議会をはじめ、山口県、北九州、下関両市、経済界などと一体となって働きかけてまいります。
 治安の面では、暴力団対策が最大の課題です。引き続き、警察の強力な取締りとあわせて、暴力団への加入阻止、離脱の促進、暴力団事務所の撤去活動などに取り組みます。
 飲酒運転による交通事故発生件数は一昨年から増加に転じております。引き続き、飲酒運転撲滅に向けた交通指導取締りの強化と飲酒運転を許さない社会環境づくりを柱に各種対策を推進していきます。
 性犯罪について、発生の抑止と被害者支援の一層の充実を図るとともに、薬物乱用、「ニセ電話詐欺」被害の防止にも全力で取り組みます。
 さらに、自転車が加害者となる事故が増加傾向にあるなど、社会的な問題となっていることから、自転車の安全で適正な利用を促進していきます。
 このほか、高度な情報通信技術を悪用したサイバー事犯への対策も強化します。
 環境対策については、産業廃棄物の適正処理を確保するとともに、合併浄化槽の整備やPCB使用製品の処理を推進します。
 地球温暖化対策については、昨年策定された国の計画を踏まえ、今年度中に、「福岡県地球温暖化対策実行計画」を策定します。この計画に基づき、省エネルギーや再生可能エネルギーを推進し、CO2排出量の削減に取り組んでいきます。

 現在、我が国においては、長時間労働の是正をはじめとする「働き方改革」が大きな課題となっており、国が今年度中に実行計画を策定することとしております。我が国が活力を維持していくためには、女性、高齢者など多様な人材が活躍できる職場をつくること、結婚、出産・子育てにもつながっていくワーク・ライフ・バランスを進めていくことが大変重要であり、国の計画を踏まえ、本県としてもこの問題に積極的に取り組んでまいります。

 私は知事に就任して以来、「県民幸福度日本一」の福岡県を目指して、全力を傾けてまいりました。毎年実施している「県民意識調査」では、昨年、「福岡県に生まれてよかった、生活してよかった」と言っていただける方が、初めて8割を超えました。
 「県民幸福度日本一」への取組みをさらに加速させるため、今後の県政推進の指針となる「福岡県総合計画案」をこのたびの議会に、提案しております。
 計画案では、今後5年間に、重点的に取り組む施策の方向や目標を十の分野にわたり体系的に示しております。
 同時に、施策の推進に当たっては、厳しい財政状況のもと、限られた財源や人的資源を効果的、効率的に活用することが不可欠です。組織や人員体制、歳入・歳出など、あらゆる分野について不断の見直しを行い、行政改革を進めることとし、その基本となる「行政改革大綱案」を今議会に提案しております。

 ここで、平成29年度の当初予算について、ご説明申し上げます。

 地方財政は、引き続き、社会保障関係費が増加する一方、地方交付税総額が減となることから、前年度を上回る財源不足が生じると見込まれています。また、県財政においても、県債残高が一般会計予算規模のほぼ2倍にあたる3兆5千億円を超えるとともに、社会保障費、公債費をはじめとした義務的経費の増大により、厳しい財政状況が続いております。県としては、「福岡県総合計画」の目標を具体化する施策に重点的に取り組むとともに、こうした厳しい財政環境を踏まえ、新たに「財政改革プラン2017」を策定し、メリハリの効いた予算編成を行いました。

 平成29年度当初予算の規模は、
 一般会計で1兆7209億2000万円余、
 特別会計の総額で5840億8500万円余、
 企業会計の総額で111億3000万円余
 であります。
 一般会計の予算規模は、前年度当初予算比で4.5%の減でありますが、小中学校等教職員の給与負担の政令市への移譲による影響額を除いた政策経費の規模は、1.3%の増となっております。

 歳出予算については、社会保障費が子ども・子育て支援の拡充や高齢化の進展により、109億円の増となりました。
 公共事業費については、「財政改革プラン」に沿って県単独事業費を抑制しつつ、事前防災・減災対策に補助・直轄事業費を確保した結果、補助方式の変更により大幅減となる保育所整備費などの特殊要因を除き、42億円の増額となっております。

 歳入予算については、輸入品に課税する地方消費税の減収などに伴い県税及び地方消費税清算金が281億円の減、小中学校等教職員の給与負担の政令市への移譲に伴い地方交付税が281億円の減となっています。
 また、通常債の発行を43億円抑制したことにより、臨時財政対策債を含む県債は、17億円減額いたしました。

 歳出予算の主要施策について、ご説明申し上げます。
 第一は、「景気の回復と魅力ある雇用の場の創出」であります。
 中小企業の支援について、中小企業振興資金の融資枠を十分に確保するとともに、融資利率を引き下げ、一層の経営安定を図るほか、新たに創業する企業向け資金の保証料負担をゼロとし、創業をさらに促進します。また、引き続き商工会議所、商工会などが行うプレミアム付き地域商品券の発行を支援するほか、消費者への面接調査を行い、企業が開発した試作品の製品化を支援してまいります。
 イノベーションによる先端成長産業の育成について、「北部九州自動車産業アジア先進拠点推進構想」の実現に向け、「福岡モーターショー2017」の開催、九州のカーエレクトロニクス企業との技術提案商談会、自動走行ビジネス研究セミナーの開催に取り組みます。
 また、FCバス(燃料電池バス)の導入に向けた研究会の開催や再生可能エネルギーによる電力を利用した水素製造技術の開発支援など、水素エネルギー戦略を推進します。
 加えて、機能性表示食品や医薬品を理化学研究所、県内大学・企業と、医療・福祉機器を飯塚病院などと、AI活用の農産物栽培支援システムを県のIoT推進ラボ、県内企業、農林業総合試験場と、それぞれ連携して開発を進め、バイオ、メディカル、IoT各分野の振興を図ります。

 次に、農林水産業の競争力の強化であります。ブランド化について、県産農林水産物や日本酒などの加工品を新たに「福岡の食」として一体的に売り込むため、全国の外食事業者に働きかけ、「福岡の食」をテーマとした「福岡フェア」を開催します。
 また、「あまおう」の栽培に取り組む法人に対して技術指導を行うとともに、新品種「甘うぃ」の最適な輸送・集荷体制を確立することにより、それぞれの生産拡大に取り組みます。
 さらに、「博多和牛」の子牛を確保するための助成を充実するほか、生産から出荷まで一貫した衛生管理を行うHACCP(ハサップ)の導入による「はかた地どり」の販売促進、各種イベントを活用した「福岡有明のり」の販売拡大を図ります。
 輸出促進について、米国における「あまおう」の販売促進フェアの開催、欧州における植木、八女茶、錦鯉などの一体的なPR、香港・台湾における果実ピューレなど加工品の市場開拓、シンガポールの水産物バイヤーの招へいを行います。また、輸出先の規制に対応した農産物の生産拡大に向けた機械設備の導入を支援するとともに、外国人観光客をターゲットとした農業体験モニターツアーを実施します。
 収益力の向上について、園芸農業における省力機械、施設に加え、新たに日本一の価格で取引される県産大豆の増産に向けた施設の整備に対し助成を行います。
 また、林業について、東京オリンピック関連施設に県産材を使用した家具を売り込むための商談会への出展、水産業について、飲食店のニーズに対応した天然魚の一次加工品開発、試験販売などを支援します。

 次に、本県の魅力発信と観光の振興であります。外国人観光客の受入環境を整備するため、北九州空港を利用する外国人を対象とした県内周遊旅行商品の造成を行うほか、旅館・ホテルが外国人を接客する際に利用できる多言語対応コールセンターの設置、福岡市内と県内温泉地を結ぶ外国人が利用するシャトルバスの試験運行に取り組みます。
 併せて、東九州自動車道沿線の観光・食の魅力を発信する大規模イベント、「HAWKSベースボールパーク筑後」において、地域の特産品販売、観光の紹介を行う「筑後七国マルシェ」、また、シンガポールや台北において、観光、食、農産物をはじめ福岡の魅力を総合的に発信するフェアをそれぞれ開催いたします。
 さらに、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」については、展示資料館等で祭祀遺跡を体感できる映像の制作、道路案内標識の整備など世界遺産登録に向けた準備を着実に進めます。また、この機を捉え、「福岡古代の旅」をテーマに、ウェブサイトなどを活用して他の史跡・遺跡なども併せてPRし、観光客の県内各地への周遊につなげていきます。

 第二は、「出会い、結婚、子育て、就職・仕事の支援」であります。
 結婚の応援について、出会い応援イベントで役立つ実践的なセミナーを開催するとともに、首都圏在住のUIJターンを希望する独身者を対象に、九州・山口各県の共同事業として結婚等に関するライフデザインセミナーや交流会を実施します。
 子育ての支援について、待機児童の早期解消に向け保育所等の整備を進めるとともに、保育の担い手を確保するため、潜在保育士に対する再就職意向調査、就職希望者と保育所とをマッチングするコーディネーターの増員を行うほか、保育補助者の雇用費用を助成します。
 さらに、児童相談所に弁護士及び保健師を配置し、法的な問題への迅速な対応、児童の健康や発達面への支援充実を図るとともに、久留米児童相談所の機能向上のため、一時保護所の増築に着手いたします。
 就職・仕事の支援について、県外大学の学生のUIJターン就職を促進するため、就職促進連携協定を締結した大学との共催による企業説明会等を実施します。
 また、企業の働き方改革を推進するため、「働き方改革推進大会」を開催し、雇用管理改善に向けた意識向上と自主的取組みを促すとともに、アドバイザーを派遣し、企業内で改革を推進する人材を育成してまいります。

 第三は、「女性や高齢者の活躍の応援」であります。
 女性の活躍について、企業の取組みを促進するため、建設、情報サービスなど各業界固有の課題の解決を目指し、業界団体等が行う取組みを支援します。また、中小企業の先駆的な取組みをホームページで発信するほか、中小企業の女性を対象とした就業継続やキャリアアップを応援するセミナーを開催します。
 さらに、女性農林漁業者が取り組む六次化商品の開発・製造に必要な機器導入を支援するほか、昨年設置した「ウーマンワークカフェ北九州」における相談件数の増に対応して、就職支援コーディネーターを増員いたします。
 高齢者の活躍について、「70歳現役応援センター」における個別相談や企業相談、就業・社会参加支援を引き続き実施するとともに、新たに九州・山口各県の共同事業として「九州・山口70歳現役社会推進大会」を本県で開催し、この取組みを全国に発信してまいります。

 第四は、「『ふくおか未来人財』の育成とスポーツの推進」であります。
 「ふくおか未来人財」の育成について、中学校における学力向上を図るため、推進拠点校を指定し、授業、組織運営、人材育成の一体的改善を実施するほか、入学時の学力の把握・検証に基づいた速やかな指導ができるよう、県独自の学力調査の対象に中学1年を追加します。
 加えて、県立高校において、地域の企業、市町村、高等技術専門校等と連携して、自動車、土木、看護分野など地域の産業を担う人材の育成に取り組みます。
 また、本県と友好提携の関係にある中国江蘇省で開催される国際青少年サッカー大会に選手を派遣し、スポーツを通じた青少年交流を図ります。
 スポーツの推進について、ラグビーワールドカップの開催に向け、開催準備事務局を設置し、ボランティアの養成及びラグビー普及や気運醸成を目指したイベントの開催に取り組みます。
 さらに、本県ゆかりのトップアスリートを育成するため、競技団体が中学生・高校生アスリートの育成強化を目指して行う技術講習会、指導者養成等に対する支援、日本代表クラスの高校生に対する海外遠征費用等の助成を行うとともに、大学生・社会人を対象としたアーチェリーアカデミーを開設します。
 併せて、障がい者スポーツを一層推進するため、アスリートが国内外の大会に出場するための費用を助成するとともに、未経験者を対象とした体験イベントを開催するほか、県民体育大会に障がい者の部を設け、車いすバスケット、ブラインドサッカーなどの競技を行います。

 第五は、「安心して生活できる共助社会の実現」であります。
 子どもの貧困対策の一層の強化を図るため、新たに生活困窮世帯を対象とした放課後児童クラブの利用料減免を行う市町村を支援します。
 さらに、田川地域に県内5か所目となる「子ども支援オフィス」及び「自立相談支援事務所」を設置するとともに、子どもたちの学習支援を担うボランティアの人材バンクを設置し、県が一括して募集、マッチングする仕組みを構築します。
 併せて、生活困窮世帯の高卒等未就労者の就職を促すため、技能習得のために借り入れた生活福祉資金の償還費用を助成するほか、県立高校にコーディネーターを配置し、高校生の進学・就職を支援します。
 高齢者施策の推進、県民の健康の維持と増進については、引き続き介護職員の処遇を改善するとともに、市町村が介護予防事業を円滑に実施できるよう、作業療法士等リハビリ職の派遣を行います。また、介護と仕事の両立を支援するため、介護応援宣言企業の取組みを県ホームページでPRするほか、働く人のためのワンストップ相談窓口を休日に開設します。
 さらに、回復期病床を確保していくため、医療機関が行う病床機能の転換に必要な施設・設備整備費用を助成します。
 障がい者福祉の向上については、地域における発達障がいに関する相談及び療育支援を担う「発達障がい者支援センター」を福岡、北九州両地域にも設置するとともに、医学的知見からの支援を行う「発達障がい者支援拠点病院」を指定します。
 また、医療的ケアが必要な児童への支援を強化するため、症状に応じた支援ができるコーディネーターを育成するほか、「北九州市立総合療育センター」の療育総合外来の整備費用を助成します。
 さらに、県立高校において、発達障がいのある生徒に対し通級による指導、支援を行うとともに、県立特別支援学校にスクールカウンセラーや理学療法士等を配置し、児童生徒への支援を充実します。

 第六は、「安全・安心、災害に強い県づくり」であります。
 熊本地震を踏まえ、地域防災力を向上させるため、本県が被災した場合に備え、受援計画を策定し、市町村、物流事業者などとの合同訓練により、その実効性を高めるとともに、市町村の受援計画策定を促進します。
 併せて、災害に対する事前の備えや発災時の対処法などをまとめた県民向け「防災ハンドブック」の整備、個別避難支援計画の早期策定を促すための市町村に対する研修会や避難訓練の実施に取り組んでまいります。
 事前防災・減災対策として、緊急輸送道路の整備、ため池、農業用ゲートの老朽化対策などを着実に進めます。
 併せて、木造戸建住宅の耐震改修費用に加え、新たに住宅への耐震シェルター、防災ベッドの設置費用を助成するとともに、民間団体が行う住宅の耐震対策に関する相談事業を支援します。
 また、警察の初動救助に必要なエンジンカッターなどの資機材を整備します。

 徹底した治安の確保について、暴力団の壊滅に向け、引き続き暴力団員の検挙、離脱・就労支援を進めるとともに、住民負担なしに使用差止請求ができる仕組みを構築し、事務所撤去を促進します。
 飲酒運転撲滅に向け、カラオケボックスへ啓発映像を配信し、若者への啓発を強化するとともに、飲酒運転撲滅宣言企業及び宣言の店に対して、迅速に情報提供を行い、その共有を図ります。
 さらに、自転車の安全で適正な利用を促進するため、若者を中心にルールやマナーの啓発を行うほか、高齢者、未就学児とその家族を対象に安全利用講習会を実施します。

 快適な生活環境の整備について、合併浄化槽の設置費用に加え、既存設備の撤去等の費用に対する助成制度を新設し、合併浄化槽への転換を促すほか、安定器など高濃度PCB使用製品の期限内の処理完了に向け、周知の徹底、所有事業者の把握調査に取り組みます。
 以上が予算の概要であります。

 本日、ここに提案しております議案は、ただいまご説明申し上げました平成29年度予算議案20件のほか、条例議案15件、専決処分したものについて報告し承認を求める議案1件、契約の締結に関する議案5件、経費負担に関する議案3件、その他の議案9件、人事に関する議案3件であります。
 このうち、条例議案について、その概要をご説明申し上げます。
 第一は、「福岡県障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例」の制定であります。その内容は、専門相談員や第三者機関の設置等差別に関する相談、紛争の防止・解決の仕組みについて規定するほか、合理的配慮に関する留意事項を県が事業者等に情報提供すること、行政機関等が施設整備、職員研修等差別解消に向けた自主的な取組みに努めることなどを定めるものであります。

 第二は、「福岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の制定であります。その内容は、県及び自転車利用者の責務を明らかにするとともに、県民、児童生徒、学生に対する交通安全教育の実施、利用者の損害賠償保険加入の努力義務や小売業者による保険加入に関する情報の提供などについて規定するものであります。

 第三は、「福岡県公の施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」であります。その内容は、利用状況や近隣の代替施設の状況等を検証した結果、「ふれあいの家北九州」を本年10月に廃止するものであります。

 第四は、福岡県職員、公立学校職員及び警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例3件であります。その内容は、本年1月の人事委員会の報告及び勧告に鑑み、医療職給料表の見直しを行うとともに、家畜保健衛生所等に勤務する獣医師に適用する給料表を新設するほか、所要の規定の整備を行うものであります。

 そのほか、県立学校及び市町村立学校職員の定数並びに本県警察官の定員を改める条例、関係法令の一部改正に伴い所要の規定の整備を行う条例6件などであります。

 以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。

追加提出議案(平成29年3月6日)

 本日、追加提案いたしました議案は、25件であります。その内訳は、平成28年度補正予算関係議案13件、条例議案2件、経費負担に関する議案10件であります。

 まず、予算議案について、ご説明申し上げます。
 今回の補正予算は、平成28年度の最終補正予算として、年度内に措置する必要がある経費を補正するものであります。
 補正予算の額は、一般会計で257億8800万円余、特別会計で5億5700万円余をそれぞれ減額しております。また、企業会計では、電気事業会計ほか2会計において増額を行っております。
 その結果、平成28年度予算の総額は、一般会計で1兆8162億3500万円余、特別会計で5908億9500万円余となっております。

 一般会計においては、輸入品に課税する地方消費税が円高の影響で減収となったことに伴い、県税及び地方消費税清算金が見込みを大幅に下回ったことから、歳入を365億円減額します。
 歳出については、保育給付費などの社会保障費のほか、地方創生の加速化に向けた農産物の生産コスト削減及び中小企業の製品開発のための施設整備費を増額する一方、経費節減に努め事業費を圧縮した結果、258億円減額となりました。
 福岡空港ビルディング株式会社との資本関係解消に伴う株式売却収入については、同額を公共施設整備基金に積み立てることとしております。
 これらの結果、107億円の財源不足が生じたため、やむなく同額を減債基金から繰り入れ、収支の均衡を図っております。
 以上が補正予算の概要であります。

 条例議案は、基金に基づく事業の終了に伴い、「医療施設耐震化臨時特例基金」ほか1件の基金を廃止するものであります。

 経費負担に関する議案は、漁港関係事業及び海の中道海浜公園事業について 市の負担すべき金額を定めるもの並びに空港整備事業ほか7件について議決内容の一部を変更するものであります。

 以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。


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