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平成17年9月定例会の概要

 9月定例会は、9月20日に招集され、10月12日まで23日間の会期で審議が行われました。

提出議案と審議内容

 今定例会には、当初、「平成17年度一般会計補正予算」議案などの予算議案2件、「福岡県国民健康保険調整交付金の交付に関する条例の制定」などの条例議案6件、専決処分したものについて報告し承認を求める議案10件、工事委託契約の締結に関する議案2件、その他の議案12件、合計32件の議案が提出されました。
 さらに、人事案件に関する議案1件および「平成16年度福岡県一般会計決算」など21件の決算議案が追加提出されました。
 今回の補正予算は、福岡県西方沖地震により甚大な被害を受けた玄界島の復興に向けた経費のほか、アスベストによる健康被害を防止するための緊急的な取り組みなどの経費を計上し、一般会計で11億7,900万円余、特別会計で1億1,700万円余をそれぞれ追加するものです。
 審議に当たっては、行財政問題、保健福祉問題、環境問題、農政問題、教育問題、警察問題など県政全般にわたり活発な論議が交わされました。

主な代表質問と答弁

 主な代表質問と答弁の要旨は次のとおりです。

Q.新北九州空港の利用見込みおよび交通アクセスなどの整備状況は?

 A.羽田便が現在の北九州空港の便数にして約5倍ぐらいになる見通しである。非常に利便性が増加し、また、国内外の新たな路線も開設される見通しがたってきた。滑走路が長くなることから大型機の使用も可能となった。これらのことから、北九州圏域を中心とした200万人の航空需要を取り込むことが可能となり、利用者が大幅に増加すると見込んでいる。
 アクセス道路の基本は、空港連絡道路と東九州自動車道であり、開港までにすべて整備を完了する。バスのアクセスについては、北九州市小倉など3方面からの直行バス、シャトルバスの運行を行うことで、具体的にバス事業者との検討を進めている。駐車場についても整備を進めている。宿泊施設については、空港内、周辺にいくつかのホテル計画が進められており、宿泊面の心配はないと思っている。(知事)

Q.柳川病院と嘉穂病院の経営改善状況および移譲時期は?

 A.これまで地域医療機関との連携による患者の確保、薬品の効率的な購入、適正な在庫管理などの経営改善努力をしてきた。医師の確保についても再三、関係の機関に要請している。今後も民間へ移譲するまでの間は引き続きこのような努力を強化していく考えであるが、患者数の減少などがあって、両病院の経営状況は一層厳しいものになっている。
 先行して民営化した3病院の医療機能の充実、経営の健全化の取り組み状況、柳川病院・嘉穂病院の厳しい経営状況などを総合的に勘案して、早期に民営化、民間移譲することが望ましいと考えている。具体的な移譲時期については、平成19年4月の実施を目標として、県立病院改革をさらに進めていく考えである。(知事)

Q.アスベストに関わる労働者、家族および周辺住民の健康リスクと県の対応については?

 A.アスベストによる健康リスクについては、現在、国の専門家によって、リスク評価に基づく健康診断、健康管理方法の検討が行われている。県では、本庁と各保健福祉環境事務所などの出先において相談窓口を設置し、さまざまな相談に応じている。その中で、健康被害情報の収集、専門医のいる医療機関などの紹介も行っている。国のリスク評価の状況も見ながら、引き続き適切に対処する努力を積み上げていく。また、健康被害に対しては、診断治療ができるように、医師、医療機関の連携を図るなど医療体制の整備を図っていく。(知事)

Q.アジアの地域間競争を踏まえた九州各県の連携については?

 A.九州各県は、九州全体として国際的な地域間競争に対処するため協力をしていかなければいけないという共通の認識を持っている。そして、今、具体的に実施しつつある。その最も重要なのが九州観光戦略であって、これまで各県がそれぞれ観光振興をやっていたが、もっと九州全体として総合的な観光戦略をやらなければ国際競争に勝てないということで、お互いにお金を持ち寄り、民間の資金も導入した形で実行している。
 他の分野でも、例えば九州各県は、工業、農業、林業、漁業それぞれの分野で試験研究機関を持っているが、研究成果の活用において協力し、総合的に能力を高めていくことを手がけている。その他九州全体の共通する最も重要な産業である自動車、半導体の分野における人材育成、産学官の連携による研究開発において、協調・協働した政策努力をしていく余地が十分あると思っている。(知事)

Q.オリンピックの招致については?

 A.オリンピックは、言うまでもなく世界のスポーツの祭典である。世界中の選手がここに集い、肉体的、精神的な限りを尽くして、最高の競技を行うこと自体が大変素晴らしく、我々に大きな刺激、感動を与える。また、オリンピックは平和の象徴であり、世界各国が参加してこのような世界のスポーツの祭典を行うことは、平和を保障するという意味で重要と考える。地域にとっても、福岡というものを世界に発信するという意味で非常に大きな役割を果たすものである。
 したがって、福岡市のオリンピック誘致については、積極的に応援していきたいと考えている。開催となれば、特に広域的なインフラの整備、競技場の整備あるいは警備体制の確保などが重要となる。県として具体的な検討や取り組みを行っていく考えである。(知事)

Q.農産物の輸出の実績および今後の農産物輸出の取り組みについては?

 A.現在、香港・台湾では、福岡のブランドマーク「まる福マーク」を使用して積極的に「福岡フェア」を開催し、農産物の販売促進活動を行っている。このような輸出促進の取り組みにより「あまおう」の輸出量が1.4トンから一挙に23.4トンに増えた。価格ベースによると平成16年度のアジア向け輸出は、その前の年が2億円だったのが4億2,500万円と倍増している。
 今年は、全国に先駆けて輸送が大変難しい「いちじく」の香港・台湾への輸出を試みたり、高速輸送船を用い初めて「なし」を上海に輸出するような新しい試みを行っている。今後とも、全農ふくれんといった関係団体と協力し、「あまおうフェア」などによって福岡ブランドの農産物の販売促進活動を一層強めていく。同時に、輸出モデル産地支援を行って、輸出活動および生産活動両面から農産物の輸出を積極的に展開していく考えである。(知事)

審議の結果

 提出された議案54件のうち、33件については、いずれも原案のとおり可決、承認または同意されました。21件の決算議案については、決算特別委員会に付託し、閉会中継続審査されることになりました。
 このほか、可決された意見書および採択された請願は次のとおりです。

可決された意見書・決議

  • アスベスト健康被害対策に関する意見書
  • 小学校等における「学校獣医師制度」創設のための意見書
  • 米国産牛の輸入再開に関し、BSEの万全な対策を求める意見書
  • がん対策の推進強化を求める意見書
  • 「進行性化骨筋炎」の難病指定を求める意見書

採択された請願

  • 私立小・中・高等学校に対する助成制度の拡充強化に関する請願
  • 私立幼稚園に対する助成制度の拡充強化に関する請願
  • 「進行性化骨筋炎」に関する請願