住民基本台帳の閲覧制度の早期見直しを求める意見書(平成17年6月24日)
本年4月から個人情報保護法が全面施行されるなど個人情報保護に関する法整備が進展する中、市町村の窓口においては、住民基本台帳法第11条により氏名、住所、生年月日、性別の4情報が、原則としてだれでも大量に閲覧できる状況にあり、この点は早急に検討・是正すべきである。
住民基本台帳制度は、昭和42年制定以来、居住関係を公証する唯一の公簿として、広く活用されてきたところである。一方、高度情報化社会の急速な進展に伴い、住民のプライバシーに対する関心が高まり、住民基本台帳の閲覧制度に対する住民の不満や不安が高まっているのも事実である。
さらに、最近では閲覧制度を悪用した悪徳商法や不幸な犯罪事件が発生しており、住民基本台帳法第11条による閲覧制度が現実として住民の権利を著しく侵害しつつある。現行の閲覧制度のもとでは、自治体がこうした事態へ対応することは極めて困難である。
よって、国におかれては、住民基本台帳法に「何人でも閲覧を請求することができる」と規定されている閲覧制度を、原則として行政機関等の職務上の請求や世論調査等の公益に資する目的に限定するなど、抜本的な改革を早急に講じられるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成17年6月24日
福岡県議会議長 藤田 陽三
衆議院議長 河野 洋平 殿
参議院議長 扇 千景 殿
内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿
総務大臣 麻生 太郎 殿