アスベスト健康被害対策に関する意見書(平成17年10月12日)
アスベストの健康被害が大変な社会問題として再燃し、多くの国民が深刻な不安にとらわれている。
今のところ、本県においては周辺住民や従業員の家族の健康被害は発生していないと考えられるものの、アスベストを原因とする疾病は、発症までの期間が数十年と長く、将来にわたって患者の発生が懸念、心配されるところである。
このため、さきの小泉首相所信表明演説においても、政府を挙げて対策に取り組むことが明らかにされている。
国民の不安を解消し、安心して生活できる社会にするためには、早急に健康被害予防対策、患者救済対策などの一層の強化を図る必要がある。
よって、国におかれては、国民の安全と安心を確保する立場から、下記の措置を早急に講じられるよう強く要望する。
記
1.労災補償を受けずに死亡した労働者、家族及び周辺住民の被害を救済するため、いわば「アスベスト新法」とも言うべき新たな法的措置が検討されているが、すき間のない精緻な補償内容とし、早期の制定、施行を図ること
2.中皮腫などとアスベストの因果関係を早期に究明し、あわせて治療法についても早期に確立すること
3.今後、民間施設や公共施設において吹き付けアスベストなどの除去を実施した場合、その処理に対する財源措置を含めた支援制度を創設すること
4.規制対象の規模要件の撤廃や対象建材の拡大を骨子とした大気汚染防止法の改正が検討されているが、同法の早期の改正、施行を図ること
5.アスベストの代替化を強力に促進し、アスベストの全面禁止を早期に達成すること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成17年10月12日
福岡県議会議長 藤田 陽三
内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿
財務大臣 谷垣 禎一 殿
文部科学大臣 中山 成彬 殿
厚生労働大臣 尾辻 秀久 殿
経済産業大臣 中川 昭一 殿
国土交通大臣 北側 一雄 殿
環境大臣 小池 百合子 殿