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脳脊髄液減少症の研究・治療等の推進を求める意見書(平成18年10月11日)

 脳脊髄液減少症は、交通事故、スポーツ障害、落下事故、暴力などによる頭部や全身への強い衝撃によって脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、めまい、吐き気、視力低下、耳鳴り、思考力低下、うつ症状、睡眠障害、極端な全身倦怠感・疲労感等のさまざまな症状が複合的に発現する病気であり、難治性のいわゆる「むち打ち症」の原因として注目されている。
 近年、この病気に対する認識が徐々に広がり、本症の研究に取り組む医師らから新しい診断法・治療法(ブラッドパッチ療法など)の有用性が報告されている。また、医学会においても脳脊髄液減少症に関して本格的な検討を行う機運が生まれつつあり、長年苦しんできた患者にとって大きな光明となっている。
 しかしながら、この病気の一般の認知度は低く、患者数など実態も明らかになっていないほか、診断・治療を行う医療機関は少ない。
 よって、国におかれては、以上の現状を踏まえ、下記の措置を講じられるよう強く要望する。

1.交通事故等の外傷による脳脊髄液減少症患者の実態調査を実施するとともに、患者・家族に対する相談及び支援の体制を確立すること
2.脳脊髄液減少症についてさらに研究を推進するとともに、診断法並びにブラッドパッチ療法を含む治療法を早期に確立すること
3.脳脊髄液減少症の治療法の確立後、ブラッドパッチ療法等の新しい治療法に対して早期に保険を適用すること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成18年10月11日

福岡県議会議長  藤田 陽三

衆議院議長    河野 洋平 殿
参議院議長    扇 千景 殿
内閣総理大    安倍 晋三 殿
総務大臣     菅 義偉 殿
文部科学大臣  伊吹 文明 殿
厚生労働大臣  柳澤 伯夫 殿