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ムコ多糖症の治療薬を初めとした患者に必要不可欠な国内未承認薬の承認の迅速化等を求める意見書(平成18年12月21日)

 難病治療には原因究明とその治療薬の開発が最大課題であることは言うまでもない。こうした中、今、差し迫った重大課題の一つに、治療薬として実証されながらも国内未承認薬であるため、生命、健康の維持に必要な医薬の恩恵にあずかれないことが挙げられる。とりわけ、体内の代謝物であるムコ多糖を分解する酵素が欠損しているため多様な障害を引き起こすムコ多糖症についてである。
 この病気については、欠損酵素を体内に補充し、蓄積したムコ多糖を分解する酵素補充療法が有効とされ、既に欧米諸国では酵素製剤医薬品が承認、使用され、その効果、安全性が立証されているにもかかわらず、国内では未承認薬である。
 このため、患者はその医薬品を使った酵素補充治療が受けられない状況にある。
 よって、国におかれては、以上のような状況を踏まえ、早急に下記の措置を講じられるよう強く要望する。

1.ムコ多糖症の治療薬を初め、国内未承認薬に関する審査の迅速化を図り、申請から承認までの期間の短縮化を実現すること
2.国内未承認薬に関する承認申請がない場合における当該薬の供給施策を早急に講じること
3.新生児スクリーニングなど、患者の早期診断技術の開発を推進し、現在、久留米大学、島根大学など全国でも数カ所にとどまっている検査機関を充実させること
4.超希少難病に関する国内未承認薬問題の抜本的解決を図るため、新たな制度を創設すること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成18年12月21日

福岡県議会議長  藤田 陽三

衆議院議長    河野 洋平 殿
参議院議長    扇 千景 殿
内閣総理大臣  安倍 晋三 殿
厚生労働大臣  柳澤 伯夫 殿