食品表示制度のさらなる推進に関する意見書(平成21年12月18日)
我が国は、いのちの糧である食糧の多くを輸入に依存している。しかしながら、輸入される大量かつ安価な外国産の食品や原料の大部分は、産地や生産方法などの履歴が、消費者には明らかにされておらず、消費者が自ら選択し、購入するためには、加工食品原料のトレーサビリティの確立とそれに基づく原料原産地表示の義務化が必要である。食品表示制度がさらに実効性のあるものになれば、消費者が国産のものを選択できない現状も改善でき、日本の食糧自給力向上への大きな力となり、また、食の安全・安心を揺るがす事故・事件の予防にも繋がると考える。
さらに、現在輸入されている食糧や加工食品の原料には、GM(遺伝子組み換え)由来原料も多くあるが、GM作物・食品の義務表示対象は、2009年3月現在でわずか32加工食品群に限られ、醤油、油などは、対象外とされている。また、クローン由来食品においては僅かながら商業化され、消費者の多くがその安全性に不安を持ち、クローン由来食品の必要性を感じていないにもかかわらず、市場化が進められている。誰が、どこで、どのようにつくったものなのか、消費者の知る権利に基づいて選択し、購入できるように、商業化が近づくGM動物由来食品も含め、全てのGM及びクローン由来食品・飼料の表示を一層推進することが必要である。
よって、国におかれては、日本の農業・水産業を守り育て食糧自給率の向上を図るとともに、食の安心・安全・安定を図る観点から、作物・食品を見分けるための食品表示制度のさらなる推進を図るため、下記事項を講じるよう強く求めるものである。
記
1 加工食品原料のトレーサビリティの確立とそれに基づく原料原産地の表示をより一層推進すること
2 飼料も含めて遺伝子組み換え食品の表示を一層推進すること
3 クローン家畜由来食品の表示についても検討すること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成21年12月18日
福岡県議会議長 今林 久
衆議院議長 横路 孝弘 殿
参議院議長 江田 五月 殿
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 殿
厚生労働大臣 長妻 昭 殿
農林水産大臣 赤松 広隆 殿
消費者及び食品安全担当大臣 福島 瑞穂 殿