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規制改革による「ライドシェア」について慎重に議論し、良質で安全なタクシーの適正化・活性化に必要な諸施策を求める意見書

 タクシー事業は、急速に少子高齢化が進展する中、ドア・ツー・ドアの個別輸送機関として、地域住民や交通弱者のための移動手段として大きな役割を担っている。
 このような状況の中、タクシー市場の安定とサービス水準の向上に向け、「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)」が、与野党共同提案の議員立法により賛成多数で可決成立し、2014年1月に施行された。
 一方、政府においては、シェアリングエコノミー検討会議や、規制改革推進会議等において、ライドシェアを含めた議論がなされている。
 ライドシェアは、普通第二種免許や運行管理者の配置は不要とされるなど、道路運送法で禁止されてきた、いわゆる白タク行為を合法化するものである。また、利用者と運転者との間で直接運送契約を結び、仲介事業者は運送責任を負わない。 
 その上、仲介事業者と運転者とは雇用関係がないため、運転者の労働条件に責任を負わない。
 このように、ライドシェアの実施は、改正法の意義を損なう上、運送の安全が十分に確保されない可能性もあり、様々な課題があると言わざるを得ない。
 よって、国におかれては、利用者の安心・安全に極めて大きな懸念のある「ライドシェア」について慎重に議論し、改正法の趣旨にのっとり、良質で安全な交通機関としてのタクシーの適正化・活性化をはじめとした必要な諸施策を講じられるよう、強く求める。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成30年6月25日

福岡県議会議長 井上順吾

 衆議院議長 大島理森 殿
 参議院議長 伊達忠一 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 総務大臣 野田聖子 殿
 法務大臣 上川陽子 殿
 国土交通大臣 石井啓一 殿
 内閣府特命担当大臣 梶山弘志 殿