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水道施設の戦略的な基盤強化を求める意見書

 日本の水道は、97.9%の普及率を達成し、これまでの水道の拡張整備を前提とした時代から、既存の水道基盤を確固たるものにしていくことが求められる時代に変化してきた。
 しかし、現在の水道を取り巻く状況は、高度経済成長期に整備された施設の老朽化や、耐震化の遅れなど大きな課題に直面している。現に、本年6月に発生した大阪府北部の地震や西日本を中心とした平成30年7月豪雨をはじめ、今月発生した平成30年北海道胆振東部地震など昨今の自然災害による水道被害は全国で頻発している状況にある。
 また、簡易水道事業は、農山漁村部を中心とする住民の生活に必要不可欠な社会基盤であるが、今なお約270万人の人々が不安定な飲料水に頼らざるを得ない生活を余儀なくされており、この水道未普及地域の解消は依然として大きな課題である。加えて地方の急激な人口減少に伴い50人以上の飲料水供給施設の要件に当てはまらない集落も増えており、補助要件の緩和が求められるところである。
 よって、国におかれては、地方公共団体等とこれまで以上に連携を深めながら、国民の命を守るインフラである水道施設の戦略的な基盤強化のため、次の事項について取り組むよう強く求める。
1 老朽化対策や耐震化対策をはじめ、国民の命を守るインフラ設備である水道施設の更新・維持・管理に全力を挙げるとともに、その国庫補助対象事業の拡充と、その所要額の確保を行うこと
2 将来にわたり、安全な水の安定供給を維持していくため、水道施設の管理者である地方公共団体等とこれまで以上に連携を深めながら、広域連携の推進や適切な資産管理の推進、さらにはPFI等の官民連携の推進等具体的な措置を講じることにより水道の戦略的な基盤強化に取り組むこと
3 厳しい財政状況の中で事業を運営している簡易水道については、未普及地域解消事業や施設の老朽化に伴う更新事業等に必要な国庫補助所要額の確保を行うとともに、施設の更新事業等を実施するに当たり、現行の国庫補助要件は採択基準が厳しく、実態と乖離している状況にあるため、その要件の緩和を行うこと

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成30年9月27日

福岡県議会議長 井上順吾

 衆議院議長 大島理森 殿
 参議院議長 伊達忠一 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 厚生労働大臣 加藤勝信 殿
 国土交通大臣 石井啓一 殿