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江蘇省への経済文化交流団派遣

 福岡県と中国・江蘇省の友好提携20周年の記念事業として、松本國寛福岡県議会議長、服部誠太郎福岡県副知事、江蘇省栄誉公民である新宮松比古福岡県国際交流センター理事長、鎌田迪貞九州国立博物館振興財団理事長、石原進福岡経済同友会代表幹事・九州観光推進機構会長をはじめ、県議会各会派の代表者、日中友好議員連盟議員、経済界や文化団体の皆様などによる「福岡県経済文化交流団」が平成24年8月6日から9日にかけて、江蘇省を訪問しました。交流団は江蘇省人民代表大会及び江蘇省人民政府との意見交換や、福岡フェアの開催、福岡・江蘇友好桜花園のリニューアルオープン式典への参加、南京博物院への訪問、蘇州工業園区の視察などを行いました。

8月6日 江蘇省人民代表大会との意見交換

江蘇省人民代表大会との意見交換の様子
江蘇省人民代表大会との意見交換の様子
松本國寛議長(左)と羅志軍江蘇省書記(右)
松本國寛議長(左)と羅志軍江蘇省書記(右)

江蘇省人民代表大会との意見交換では、羅志軍(ラ・シグン)中国共産党江蘇省委員会書記・同大会常務委員会主任から「中山陵の麓に桜の園があるが、年々きれいな桜の花を咲かせている。同じように世代間にわたる友好関係の花を咲かせることが、我々両国民の共通の願いではないかと思っている。江蘇省と福岡県は今まで、経済的に困難な局面を強いられた事もあるが、そのような時、江蘇省と福岡県はお互いに支えあい、助け合ってきた。こういった伝統がこれかららも末永く続いていくことを心から願っている。今年は20周年であり、江蘇省も代表団をつくって福岡県を訪問する」とのあいさつがあり、これを受け、松本國寛議長は、「1992年11月に友好提携協定書の調印が行われ、その後も、両県省の交流は行政や議会の関係のみならず、経済や文化等の分野においても着実に深まっている。この訪問により、経済及び文化の分野での両県省のより一層の理解と交流の促進が図られることを切に願っている。代表団の訪問を心から楽しみにしている」とのあいさつを行いました。(写真をクリックすると拡大します)


8月7日 福岡・江蘇友好桜花園リニューアルオープン式典

新宮理事長のあいさつ
新宮理事長のあいさつ
除幕式の様子
除幕式の様子
参加者による記念撮影
参加者による記念撮影

 福岡・江蘇友好桜花園は、福岡県と江蘇省の友好の懸け橋として、福岡県議会と江蘇省人民代表大会が共同で呼びかけ、1996年2月に開園されたもので、福岡県民からの寄付により約3000本の桜が植樹されています。毎年春には桜が満開となり、花見の名所として市民の皆様に大変親しまれています。
 この桜花園の開園15周年にあたり、公園のリニューアル工事が実施されました。リニューアルオープン式典に当たり、江蘇省人代常務委員会 柏 蘇寧(ハク・ソネイ)副主任から、「福岡県の多くの県民の募金で寄付された3000本の桜がしっかりと南京の大地に根差して、立派に育っている。江蘇省と福岡県のお付き合いの中で、一番大事なのは人間同士のお付き合いであり、また、心と心の触れ合いであるということを、改めて認識している。いつまでも、心の通じあう友人となることを、また、各分野の連携を通じて地域間の共同発展につなげ、輝かしい両省県の未来を開いていくことを心から祈念している。
 日中友好が次世代まで続いていくこと、桜花園の花がいつまでもきれいに咲いていくことを心からお祈りします。」とのあいさつがありました。
 これを受け、江蘇省の栄誉公民でもある、(財)福岡県国際交流センター 新宮 松比古理事長は、「両省県の友好のシンボルである桜花園が、美しい庭園に生まれ変わった事にお礼申し上げる。これを更なる契機として、ますます友好の発展の絆ができることを祈念します。」とのあいさつを行いました。
この後、江蘇省人代常務委員会 李 全林(リ・ゼンリン)常務副主任、江蘇省 人民政府 張 衛国(チョウ・エイコク)副省長、松本議長、服部副知事による除幕式が行われました。
今回の工事で、公園の面積は1.5倍の4ヘクタールに拡大され、新たに露天ステージや遊歩道、東屋などが設置されました。 (写真をクリックすると拡大します)


8月7日 南京博物院訪問

鎌田理事長(左)、龚院長(右)
鎌田理事長(左)、龚院長(右)
金印について説明を受ける
金印について説明を受ける
南京博物院所蔵の金印(左:廣陵王璽 右:漢委奴国印のレプリカ)
南京博物院所蔵の金印
(左:廣陵王璽 右:漢委奴国印のレプリカ)

 南京博物院は、九州国立博物館の最初の展示会「美の国日本」で展示された「廣陵王璽」(こうりょうおうじ)の金印などを所蔵している中国最高峰の総合博物館のひとつです。
 南京博物院の龚 良(コウ・リョウ)院長から「福岡の志賀島で発見された「漢の委の金印(漢委奴国印)」、そして、江蘇省の揚州市で発掘された漢の「廣陵王璽」という金印は、同じ時代につくられた兄弟印であり、これはまさに、両省県の友好交流の歴史の証である。今年、南京博物院は九州国立博物館とこれから交流をしていこうという協議書をかわした。今回の皆様の訪問を通じて、両省県の博物院同士の交流が発展していくことを心から願っています。」とあいさつがありました。
 これを受け、(公財)九州国立博物館振興財団の鎌田迪貞理事長から「福岡県には2万人を超える中国出身者が暮らされており、約7千人の中国留学生が福岡の大学等で学ばれるなど、人的交流も盛んである。今回の訪問を機に、日本と中国、福岡県と江蘇省の文化交流や人的交流が益々盛んになるとともに、皆様方との友情が深まることを願っています。」とのあいさつを行いました。(写真をクリックすると拡大します)


8月7日 福岡フェア開会式

服部副知事によるあいさつ
服部副知事によるあいさつ
鏡割りのセレモニー
鏡割りのセレモニー

馬場姉妹(八女市観光大使)による三味線・民謡披露
馬場姉妹(八女市観光大使)による
三味線・民謡披露

 「南京水遊城」(南京アクアシティ)で開催された福岡フェアの開会式では、冒頭、服部副知事から「福岡は古くから日本における中国との交流窓口として大きな役割を担ってきた地域であり、中国との交流が大変盛んな西日本を代表する拠点地域です。今日の福岡フェアを通じて、福岡への興味を持っていただき、是非、福岡へ観光に、留学にお越しいただきたい」とのあいさつを行いました。その後、議長をはじめ各会派代表者も参加して鏡割りのセレモニーを行いました。会場に来られた皆さんには、県から持参したお酒がふるまわれました。
 福岡フェアでは、観光、若者文化、留学情報などを紹介するとともに、ファッションショーやミニコンサートなど、多彩なステージイベントで福岡の魅力、元気を「精彩福岡」として発信しました。(写真をクリックすると拡大します)


8月7日 江蘇省人民代表大会主催の歓迎祝宴

松本議長のあいさつ
松本議長のあいさつ
李 全林江蘇省人代常務副主任と握手する松本議長
李 全林江蘇省人代常務副主任と
握手する松本議長

参加者の記念写真
参加者の記念写真

 金陵飯店(南京市)で江蘇省人民代表大会主催の歓迎宴が催され、李 常務副主任の歓迎あいさつを受け、松本議長と服部副知事が挨拶を行いました。松本議長からは「1992年11月に当地で福岡県と江蘇省との間で友好提携協定書の調印が行われた。そして、本年、友好締結20周年を迎えられたことを心からお喜び申し上げる。1996年に南京市に福岡-江蘇友好桜花園が開園し、2002年には福岡市に福岡県・江蘇省友好記念庭園が開園した。まさに両省県の友好の証である。また、両省県の交流は、行政・議会にとどまらず、経済・文化など様々な分野の交流へと着実に発展している。」とあいさつしました。(写真をクリックすると拡大します)


8月8日 蘇州工業園区の視察

蘇州工業園区の概要説明
蘇州工業園区の概要説明
石原代表幹事のあいさつ
石原代表幹事のあいさつ
質疑応答の様子
質疑応答の様子

 蘇州工業園区では、展示室で概要説明を受けた後、別室で、蘇州工業園区管理委員会の孫 燕燕(ソン・エンエン)副主任より、1994年から中国とシンガポール両国政府間の合意により開発がスタートし、以来18年間の発展を経て、園区の中に現在80万人の居住者があることや、将来は120万人の居住を見込んでいること、今まで築いた基礎の上で更に先端的な事業を進めていきたいことなど、説明を受け、質疑応答が行われました。
 冒頭、福岡経済同友会の石原 進代表幹事は「わずか18年でここまで発展させるのはたいへん素晴らしい、感心している。これだけ急速に大きく発展しているのは、非常にビジネスがしやすい所だから。日本からも400社進出しているとのことであるが、最近の状況を見ると、中国は急速に賃金が上がっている。それから住民の環境意識や労働者の権利意識も非常に高くなってきている。従来と変わった状況が出てきていると感じている。」と述べ、その後の質疑応答では、「進出する場合に、土地の広さとか、資本力とか基準はあるのか」「すぐれた人材をどのように確保しているのか」「日本においては特区というものがあるが、園区において進出した企業に対し国家的な税制上、財政上の特例措置があるか」などについて質疑応答がありました。
 当日は、台風の接近により天候が悪く、訪問が危ぶまれましたが、無事に視察を終えることができました。(写真をクリックすると拡大します)